BLOG

【2026年1月1日施行】ベトナム雇用法 & 個人情報保護法(PDPL)最新アップデート

【2026年1月1日施行】ベトナム雇用法 & 個人情報保護法(PDPL)最新アップデート

〜日本人担当者も知らないと危ない!人事・労務の実務対応ポイント〜

ベトナムでの人材採用・雇用管理に関わる皆さま。
2026年1月1日から、労働法および個人情報保護法(PDPL)に重要な変更が施行されます
「現地人事担当者に任せているから大丈夫」と思っていませんか?
これらの改正は 人事・総務のみならず、日本側の管理者や本社のHR担当者にも理解が求められる内容です。

本記事では、実務レベルで特に注意すべきポイントを、最新の法令情報をもとに整理して解説します

1. 雇用法(Employment Law 2025)改正ポイント

2025年6月に可決された「Employment Law 2025」は、2026年1月1日から施行されます。
人事担当者が押さえるべき重要点として、次の2点が挙げられます。

📌 ① 労働者情報の登録・更新義務の強化

新しい雇用法では、雇用者が労働者の情報を正確かつ最新の状態で管理・登録することが求められる仕組みが強化されます。
これは、国が整備する労働者データベースとの連携が前提となっており、従業員情報の正確性・更新が義務化されます。

管理対象となる主な情報例:

・氏名・国民ID番号・連絡先
・学歴・資格情報
・雇用契約情報・就業状況
・社会保険および失業保険の加入情報

この義務は従来より明確に定められた新しい規定で、企業の労務管理プロセスが問われるポイントです。

📌 ② 失業保険(UI)の対象拡大

新法では、これまで義務対象外だった労働者層が失業保険に必須加入となるケースが拡大します。

具体的には:

✔ 1か月以上の有期契約の労働者
✔ パートタイム労働者(一定条件下)
✔ 報酬を受ける管理職・役員など

などが新たに対象になり、これまでより幅広い労働者が雇用保険制度に参加する必要が生じます。

この変更は、単に雇用保険の対象を増やすだけでなく、企業の社会保険手続き・労務管理の対象範囲が拡大することを意味します。

2. 個人情報保護法(PDPL)の施行 — これまでとの違いと注意点

ベトナムでは2023年に「個人データ保護政令(Decree 13/2023/ND-CP)」が施行されていましたが、2026年1月1日からはPDPL(個人情報保護法)が本格施行されます。

PDPLは政令よりも強い法的効力を持つ包括法で、これまで以上に厳格な対応が求められます。

📌 ① 採用時データの扱いと同意の明確化

採用における個人データの収集・利用では、

✔ データ利用の目的・範囲・保存期間を明示するとともに
✔ 応募者の明示的な同意を得ること

が必要です。
同意は「黙示ではなく明確な意思表示」として記録・保存しなければなりません。
これは従来の政令よりも要求水準が高くなっています。

📌 ② 不採用者・退職者データの削除義務

PDPLの重要なポイントとして、

  • 不採用者の個人データは削除または破棄すること(同意がない場合)

  • 退職者の個人データも不要時点で削除すること

が企業に義務付けられています。

この要件は採用フロー全体に関わるため、HRシステム・DB設計の見直しが必要になります。

📌 ③ 罰則・リスク管理の強化

PDPL施行後は、以下のように違反時の罰則が法律レベルで定められます

✔ 不正な個人データ処理:最大VND 3億の罰金
✔ 越境データ転送違反:前年売上の最大5%の罰金

など、2013〜2024年までの政令にはなかった厳格な制裁規定が設けられています。

3. 1月から“実務で見直すべき”チェックリスト

以下は、法改正を踏まえて年始に見直すべき具体的なポイントです:

🔹 採用プロセス

  • 応募フォームに「データ利用目的・保存期間・同意取得」に関する明確な説明を追加

  • 同意記録(ログ・書類)をHRシステムに残す

  • 不採用者データの削除ポリシーを策定・実装

🔹 社員データ管理

  • 労働者情報の最新化・更新フローを整備

  • 労働・社会保険データの正確性確認

  • 退職者データ削除ルールの導入

🔹 社内方針・教育

  • 社内でPDPL・雇用法改正の概要と実務対応基準を共有

  • HR・IT・法務の連携体制を構築

  • データアクセス権限・安全管理方針の明確化

4. なぜ「現地任せ」にしてはいけないのか

新しい法令では、労働者データの管理責任や個人データ保護は企業全体のコンプライアンス課題として位置付けられています。
単に「現地人事スタッフがやってくれているから大丈夫」という状態では、本社監査対応・法令順守の証明・トラブル発生時の説明責任などで説明できないリスクが高まります。

まとめ

  • 2026年1月から、雇用法とPDPLが本格施行され、実務上の義務とリスク管理が強化されます。

  • 個人データの収集・利用・削除、労働者データの更新は企業の必須対応事項となります。

  • 採用・雇用・退職までのデータフローを見直し、日本側人事担当者も理解を持つことが必須です。


Jobfull Partnerでは、現地法令対応を踏まえた採用・人事オペレーション相談にも対応しています。

ご不安な点があればお気軽にご相談ください。