― ベトナム転職市場で今、起きている静かな変化 ―
最近、私たちが取り扱う求人全体を見ていて、
「求人の内容が少し変わってきているかもしれない」
と感じる場面が増えてきました。
特に印象的なのが、
かつては圧倒的に多かった
「若手〜中堅の日本人営業職」求人が、明らかに減ってきている
という点です。
これは一時的なものなのか。
それとも、市場構造そのものの変化なのか。
今回は、ベトナムの日本人向け求人の“質の変化”について、
現場で見えているリアルな動きを整理してみたいと思います。
かつて主流だった「日本人営業職」が減っている理由
数年前まで、ベトナム転職市場では
「日本人 × 営業職」は、最も代表的なポジションでした。
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若手〜中堅
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営業経験あり
-
日本語ネイティブ
これだけで、一定数の求人紹介が可能だった時代があります。
しかし、昨年後半頃から、
「営業経験がある」という理由だけでは
企業様へご紹介しづらいケースが明らかに増えてきました。
では、なぜこの変化が起きているのでしょうか。

企業側から増えている、ある共通の声
最近、企業様からよく聞くのが、こんな言葉です。
「日本人が退職しましたが、そのポジションはベトナム人スタッフでカバーする予定です」
なるほど、と感じました。
5~10年前に比べると、ベトナム人材の
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スキル
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仕事の進め方
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ビジネスマナー
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日本語・英語対応力
は、本当に大きく向上していると実感しています。
かつては日本人が担っていた役割も、
今では現地人材で十分に回せるフェーズに入ってきている。
そう感じる企業が増えているのは、自然な流れとも言えます。
現地化が進むことは、企業にとっては理想的
日系企業が海外進出する際の一つのゴールは、
「現地人材だけで、現地拠点が安定的に回ること」
です。
その意味では、
日本人駐在員や現地採用日本人に依存しすぎず、
ベトナム人材が中核を担えるようになるのは、
非常に健全で理想的な状態です。
一方で、この変化は
「ベトナム就職を目指す日本人」にとってはハードルが上がっている
ことも意味します。
今、日本人に求められているのは「営業+α」
最近の求人傾向を見ていると、
日本人向けポジションで多いのは、次のような領域です。
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ITエンジニア
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IT × 営業(ソリューション営業)
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製造業の技術職・品質・生産管理
つまり、
「営業ができる」だけではなく、
何かしらの専門性を掛け合わせた人材が求められています。
ベトナムでは今も、
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日系製造業
-
IT・オフショア開発
の進出が続いており、
技術職ニーズは比較的安定しています。
日本の若手世代との「感覚のズレ」
ここで、少し気になっている点があります。
それは、
日本の若手世代のキャリア感覚と、
ベトナム市場の現実とのズレです。
日本では売り手市場が続き、
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条件重視
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希望職種へのこだわり
が強くなっている一方で、
ベトナム市場では、
その希望条件を満たす日本人向けポジション自体が
そもそも少ない、という現実があります。
これは、良い・悪いの話ではありません。
ただ、海外転職を考える上で
認識しておくべき市場変化だと感じています。
変化をどう受け止め、どう動くか
不安を煽りたいわけではありません。
ただ、
「昔はあったから、今もあるはず」
「日本人なら何とかなるだろう」
という感覚のままでは、
海外転職が難しくなってきているのも事実です。
これからベトナム転職を目指す日本人の方には、
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自分の「+α」は何か
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現地で価値を出せる専門性はあるか
-
長期的にどんな役割を担えるか
を、一度立ち止まって考えることが
これまで以上に重要になっています。
まとめ:求人の「量」より「質」の時代へ
ベトナムの日本人向け求人市場は、
確実に量の時代から、質の時代へ移行しています。
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日本人であること
-
営業経験があること
だけではなく、
「なぜあなたでなければならないのか」
を説明できる人材が求められるフェーズです。
私自身も、人材紹介に携わる立場として、
この変化をしっかり受け止めながら、
求職者の皆様にとって最適なサポートとは何かを
改めて考えていきたいと思っています。
この変化が、
これから海外キャリアを考える方にとって
一つのヒントになれば幸いです。


